五感と肌で詠む短歌～与謝野晶子『みだれ髪』 - こぎん刺しのテディベア作家 kogin＊bear style こひろ

与謝野晶子『みだれ髪』は、作者自身の心の感性、そして身体を通じて感じた事を詠んだ歌だと思う。

あくまで私個人の考えですが。
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おはようございます。
こぎん刺しのテディベア、ベアグッズ製作の、kogin＊bear style こひろです。

『みだれ髪』は「手芸家こひろの本棚　テディベア×こぎん刺し×文学」でも、取り上げました。

今の我に歌のありやを問ひますな柱なき繊糸これ二十五絃

この歌の解釈で、琴は通常十三絃だが、それ以上の二十五絃の琴を弾くように、溢れる感情を歌で表現できる、と言うこと、とあった（※）。

鉄幹への恋心や自分の美意識を歌い上げた点で新しい歌集だったと言われるが、そうではなくもっと自然な発露だったように私は思う。

髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころは秘めて放たじ

うすものの二尺のたもとすべりおちて蛍ながるる夜風の青き

くれなゐの薔薇のかさねの唇に霊の香のなき歌のせますな

これらの歌は、通常の感覚に加えて、肌や髪、唇で感じるものも加えて、できているように思われる。冒頭で書いた、身体で感じて詠む、と言うのは少なくともこのようなことを言いたかった。

『みだれ髪』では恋心だけではなく、風景なども詠まれている。

雲ぞ青き来し夏姫は朝の髪うつくしいかな水に流るる

この歌の場合は、作者自身の髪に重ねて夏の朝の景色を詠んだようにも感じられる。

あくまで私自身の解釈なのだけど。

それでも、『みだれ髪』を語るときによく言われがちな、女性は控えめであることが美徳とされていた時代に恋心や自身の美しさを詠んだ新しい短歌、といった理解とは違う読み方も可能なように思う。

『みだれ髪』の世界観の一部を、総刺しこぎんクマで表現してみました。

こぎんブックマーケット2019にもお越しいただければ幸いです。

参考・引用：与謝野晶子『みだれ髪』（新潮文庫）

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