私生児と、その母。
けれども私たちは、古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生きるつもりです。
(太宰治『斜陽』より)
読むことで救われ、その後もずっと読み続けてきた本のひとつです。
こぎん刺しのテディベア、ベアグッズ製作の、kogin*bear style こひろです。
最初に読んだのは高校生の頃でしたが、なんとなくつまらないと思いました。
その後、ある事件に巻き込まれ、自分がこれまで信じてきたことが壊れました。
誰にもそのことを言えず、毎日図書館で、自分の部屋で本を読み漁りながら、抱えることになった痛みと向き合っていました。
『斜陽』もその頃に一度読んだままになっていたのを取り出して読んだのです。
描かれている物語世界が鮮やかに色づいてきたように思われ、
全ての言葉が、沁みるように入ってきました。
ゆめ。
皆が、私から離れて行く。
直治の死のあと始末をして、それから一箇月間、私は冬の山荘にひとりで住んでいた。
そうして私は、あのひとに、おそらくこれが最後の手紙を、水のような気持で、書いて差し上げた。
作品集『手芸家こひろの本棚~テディベア×こぎん刺し×文学。』でも、
『斜陽』は紹介しました。
かず子の台詞をこの総刺しこぎんクマと一緒に紹介しました。
このクマを選んだのは、かず子が幼少の頃の思い出とともに、この「牡丹色」の良さに気づく描写があるからです。
こぎんブックマーケット2019には、このピンクのクマを連れて行きます。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。
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【イベント】
■2019年3月30日(土)「こぎんブックマーケット2019」
時間:11:00~15:00
入場料:無料(ガイドブックは別売)
会場:綿商会館 6F
〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町8-10
最寄り駅:人形町・馬喰横山・東日本橋・馬喰町
東京メトロ日比谷線・都営浅草線《人形町駅A4》徒歩約6分
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